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日本人の健康増進のための法的枠組み - 研究開発への積極投資

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日本人の健康増進のための法的枠組み - 研究開発への積極投資

日本では医療制度が国政の焦点となってきました。先の総選挙において医療制度は重要争点の1つであり、各党は医療制度の改革案を打ち出しました。日本においては、国民全体のQOL(生活の質)の向上及びそれを支援するための安心で透明性の高い医療制度がこれまで以上に必要とされています。PhRMA(米国研究製薬工業協会)は、日本の患者さんに革新的な新薬をお届けするための環境の整備を促進し、患者さんがより長く、幸せに、人間らしい豊かな人生をお送りいただけるよう尽力しています。以下では、医療改革の議論にPhRMAがいかに建設的に貢献しているかを、特に日本の規制環境と研究開発投資に焦点を当てながらご紹介します。

日本の高齢化推移に見合った医療支出全体の拡大

高齢化がもっとも急速に進んでいるにもかかわらず、日本の総医療費はGDPの8.2%とOECD加盟国の中で最低水準にとどまっています。医療に対する十分な投資は日本の患者さんの生活を改善するために不可欠であると同時に、医療費の削減につながると考えられます。

PhRMAは日本政府が研究開発への財政的支援を拡大することを期待します。GDPの約0.7%(OECD平均を下回る)である日本政府は研究開発予算を拡大し、米国やフランスなど研究開発を積極的に支援する国の水準(GDPの約1.2%)にまで高めることが必要なのです。

新薬承認までの期間短縮

    深刻な日本のドラッグラグの状況
  • 2006年に世界で製造された334種の新規化合物(NME)の中で、 米国では274 種が承認されており、EUでは262種が承認されている。 しかし、日本での承認は僅か181種に留まる。
  • 2007年に世界各国で発売されているベストセラー薬剤90種のうち、米国及び英国未発売はたった1種なのに対し、日本では約25%にあたる21種が未発売となっている。

日本の患者さんは世界でも有数の豊かさを誇る技術的に進んだ国に住んでいながら、世界中の何百万人もの患者が何年も前から使っている医薬品を含め、発売済みの優れた医薬品を迅速に入手することができません。しかも、2004 ~2007年の間に、 最初の上市国から日本で上市されるまでの平均期間は3.9 年から4.7年に延びています。

このようなドラッグラグ問題は現在の非効率的な承認システムから生じています。人員が不足しており、審査プロセスも大幅な改善が必要です。この点は日本政府も認識しており、今後5年間で審査員を倍増し、新しい審査員の人件費を捻出するために製薬会社が支払う審査手数料を増額、審査プロセスを改革することで適正な承認スピードの達成を保証するパフォーマンス・メトリックスを導入するなど、医薬品医療機器総合機構/PMDAでの改革が進行中です。このような改革は喜ぶべきことですが、その進捗は遅く、未だに審査部門間で審査の一貫性を欠いています。私たちは今後もPMDAとの対話を続け、透明性の高い迅速な審査が確実に実現されるよう緊密に協力していきます。

臨床治験環境の改善

table.jpg最近、日本および海外の多くの製薬会社が研究開発施設を日本国外に移転させる動きがあります。背景には研究開発費の増大、長期に渡る承認期間、少数の治験参加患者数など数多くの要因が存在します。近隣諸国がバイオ製薬業界による投資の誘致に力を入れている現在、これらの要因によって、日本が投資先としての魅力を失いつつあります。(詳細は「フォーカス」記事をご参照下さい。)

慢性疾患の予防に重点をおいた取り組み

マッキンゼー社によると、2005年の国民健康保険費は33.1兆円でしたが、これは2020年には62.3兆円に、 2035年には93.6兆円にまで上昇が見込まれています。医療コストの増大にはいくつかの要因がありますが、その一つに慢性疾患が挙げられます。

厚生労働省の2006年の調査によると慢性疾患に起因する費用は日本の全医療支出の半分を占めており、日本の死亡原因の8割を占めています。慢性疾患は公衆衛生、医療費、日本国民のQOL、経済面の生産性に悪影響を及ぼします。慢性疾患による社会の損失を軽減するには、予防医療への取り組みに重点をおいた医療制度が不可欠です。ある研究では、慢性疾患の予防管理を十分に改善すれば、アメリカでは2023年に4,020万件の慢性疾患を回避できるとしています。また最近の調査では、慢性疾患に起因する労働日数の損失や従業員の生産性低下により、アメリカは毎年推定で1兆ドル以上の経済的損失を被っているとも指摘されています。

医薬品、健康的な食事と運動に加えて、検診も疾病を予防する効果的な手段の1つです。

PhRMAは、近年日本政府が実施している子宮頸がんと乳がんの無料検診を760万人の女性に提供し、検診率を現在の20%から50%に引き上げることを目標とした取り組みを歓迎します。実際にPhRMAでも、日本におけるがん罹患率の低下とがん検診率の向上に貢献するため、兵庫県と協力して地元の住民と医師が参加するプログラムを立ち上げました。

その他、全国をカバーする包括的ワクチン接種プログラムの構築も予防医療の強化に有効です。

政府の薬価・保険償還制度を、イノベーションに報いる制度へと再構築

革新的な医薬品の開発には膨大な時間とコストを要します。1つの新薬を開発するには、その発見から患者の治療に実際に使えるようになるまで、約10 - 15年間が必要とされます。加えて医薬品開発に費やされる費用は平均で12億ドルと推定されています。この中には医薬品として上市に至らなかった、数千にも上る化合物の費用も含まれています-研究開発に着手した5,000 - 10,000種類の化合物のうち、承認を受ける医薬品はわずか1種類に留まります。

しかしながら、現行の薬価制度では通常、新薬の薬価は薬価改定を経て切り下げられた類似薬の価格に基づいて算出されます。この制度ではイノベーションの価値が反映されず、新薬開発を促進する仕組みとはなっていません。薬価切り下げはほぼ隔年で実施されており、またこれを毎年実施する動きがあることは、更なる新薬開発を間接的に妨げることになります。加えて、医薬品の年間販売額が150億円を超え、かつ発売当初の予想年間販売額の2倍以上となる場合には、その医薬品は特別に薬価が引き下げられます。また同様のルールが、医薬品に効能が追加される場合にも適用されます。これにより、医師及び患者さんの需要が大きな医薬品の開発を進めるにつれて、製薬会社は不利益を被ることになるのです。

薬価制度の適用は予算を最重要視すべきではありません。薬価とは本来、「医師および患者さんのニーズにより適合し、より多数の人やより幅広い症例に適応できる医薬品が盛んに開発される環境を日本に作り出す」という目標に基づいて決定されるべきなのです。

製薬業界は、日本政府が現在直面している新薬の開発促進、及び患者さんのニーズに合った高品質で持続可能な医療制度構築が困難な道のりであることを理解しています。またPhRMAは、日本の医療制度における真のパートナーとしての役割を重視しています。私たちは投資と研究開発を促進するための環境の整備、そして最終的には国民の健康増進を目指して、日本政府と引き続き対話を重ねていきます。

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