<今日のニュース>No.1 糖尿病診断に HbA1c検査を推奨-国際専門員会
糖尿病の診断には、2~3カ月間の血糖値の平均を評価する HbA1c(グリコヘモグロビン)値の検査を主に用いるべきであるとの勧告が、米ニューオーリーンズで開催された米国糖尿病協会(ADA)年次集会で国際専門委員会により発表された。同委員会の代表で米マサチューセッツ総合病院(ボストン)糖尿病センター長のDavid Nathan博士はこの勧告について、「30年以上も糖尿病の診断に用いてきた方法から、初めて大きく脱却するものである」と述べている。
同委員会は、ADA、国際糖尿病学会(IDF)、欧州糖尿病学会(EASD)のメンバーにより構成されているが、それぞれの組織はまだこの勧告について声明を出していない。ただし、ADAは非公式に今回の結論を支持する見解を述べており、実行委員会で検討した後にこのガイドライン(指針)を正式に発表する予定であるとしている。この診断ガイドライン案は、ADA発行の「Diabetes Care(糖尿病ケア)」7月号にも掲載される予定。
現在、米国で約2,400万人が2型糖尿病に罹患しており、その診断には空腹時血糖(FPG)検査または経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2種類が広く用いられている。いずれも短期的な血糖値をみるもので、採血前に絶食を要するなど患者にとって不便を伴う。また、血糖値は変化しやすく、運動や食事、風邪や血液検体の保存温度によっても影響を受けるため、結果の解釈が難しいことがあるという。HbA1c を用いればこのような問題がなく、糖尿病の診断にはHbA1c が望ましいとNathan氏は述べている。HbA1c値6.5%以上の場合に糖尿病とされるが、この数値で確定したわけではない。
今回の勧告は、HbA1c 値と糖尿病網膜症(diabetic retinopathy)との関連に着目した文献のレビューに基づいたもの。Nathan氏によると、糖尿病によって血糖値が上昇するほか、多数の合併症が生じるが、最も定量的に評価できるのが網膜症であるという。「多数のデータを検討したした結果、HbA1c には数々の利点があると判断した」と同氏は述べている。HbA1c 値が6~6.5%の人は糖尿病のリスクが高いと考えられるという。
世界にはHbA1c 検査を利用できない地域もあるため、従来の血糖値検査が不要となるわけではないと専門家らは強調している。米レノックスヒルLenox Hill病院のSpyros Mezitis博士によると、多くの医師はすでにHbA1c検査を診断に利用しているという。「今回の変更は臨床現場にみられる方向性に一致するもの。また、厳重な血糖値管理にも引き続き重点を置く必要がある」と同氏は述べている。
(HealthDay News 6月5日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=627833
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