<ヘルスハイライト>No.2 生薬ハロフギノンが自己免疫疾患治療に有望
アジサイの根から抽出した化合物(アルカロイド)で、伝統的な中医薬(日本の漢方薬)に使用される生薬であるハロフギノン(halofuginone)に自己免疫疾患の進行を抑える効果のあることが、マウスとヒト細胞を用いた新しい研究によって示された。
自己免疫疾患に対する現在の治療上の大きな問題点は、免疫機能の抑制による感染リスク増大であるが、ハロフギノンは正常な免疫機能を抑制することなく疾患の進行を遅らせることから、非常に有望視されている。これまでの研究では、炎症性腸疾患や関節リウマチ、多発性硬化症、1型糖尿病、湿疹、乾癬など様々な自己免疫疾患においてTH17細胞の関与が示されている。
米ボストン小児病院のMark Sundrud氏らは今回、ヒトの多発性硬化症に似た実験的自己免疫性脳炎(EAE)を誘発したマウスにハロフギノンを投与した。その結果、低用量のハロフギノンはTh17細胞の発現を阻害したが、正常な免疫機能にとって重要な他のT細胞は変化せず、ヒト細胞の試験でもTh17細胞形成に対して同様の阻害作用を認めた。
同氏らは、蛋白(たんぱく)質の基本構成単位であるアミノ酸が不足した際にみられる細胞を保護するアミノ酸欠乏応答(amino acid starvation response: AAR)と呼ばれる生化学的経路の活性化によって、ハロフギノンが作用すると考えている。研究結果は、米科学誌「Science」6月5月号に掲載された。
ハロフギノンは、中医薬では50種の"基本的な生薬(fundamental herbs)"の1つとされ、マラリアや結合組織の自己免疫疾患である強皮症の治療にも使用されてきた。Sundrud氏らは「ハロフギノンや今後開発される誘導体化合物は、Th17細胞に関連する自己免疫疾患や炎症性疾患の治療に使用できる可能性がある」としている。(HealthDay News 6月4日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=627759
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