~患者中心の医療制度を目指して~ 在日執行委員会(JBEC) ニュートン・F・クレンショー委員長
2005年7月27日
~患者中心の医療制度を目指して~
在日執行委員会(JBEC) ニュートン・F・クレンショー委員長
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は本日、在日執行委員会(JBEC)のニュートン・F・クレンショー委員長による日本で初めての記者会見を行いました。クレンショー委員長は、日本の目指すべき医療制度について、革新的な新薬の開発を促進するような患者中心の医療制度、革新的な新薬開発環境の整備、ならびに革新的な新薬開発に対する適正な評価の必要性を指摘しました。
クレンショー委員長は、「日本の患者は諸外国の患者と同様、急を要し生命の危険を脅かすことの多い疾病に対する解決策を求めている。グローバルな医薬研究における昨今の進展によって、より効果的な薬剤や治療が施され、健康で生産的な生活をより長く送ることが可能になりつつあることを日本の患者はインターネット等の情報源 を通じて理解している。また、欧米や他のアジア諸国で、ガンや糖尿病、精神疾患などの深刻な症状の治療に使用されている画期的な医薬品の多くが、日本では諸外国にくらべて長期間使用できない状況にあることについても、患者の意識が高まってきている」、と述べました。
新薬導入で日本にこうしたタイムラグが生じていることについて、クレンショー委員長 は、「諸外国の患者は、画期的な新薬によって効果的な治療を受け、疾病を治癒している。これらの新薬は、日本国内ではいまだに使用することが出来ず、導入には、しばしば5年もしくはそれ以上の時間がかかる。こうした現状を、私は自ら見てきている」、と指摘しています。
クレンショー委員長は、日本国内の患者にとって、画期的な新薬へのアクセスがいかに制限されているかについて、以下のような事例を指摘しました。
- 日本は臨床試験インフラ整備で、欧米や他のアジア諸国に対して競争力を失いつつある。日本での臨床試験には、多くの時間と費用がかかる。日本での臨床試験は、欧米に比べて3~18倍の期間と約2倍の費用がかかる場合もある。この状況は、日本の臨床試験の空洞化という事態を招き、日本経済全体の競争力に重大な影響を与えかねない。日本の臨床試験インフラをさらに有効活用するためには、諸外国での臨床データを、製品承認の根拠として採用してゆくことが欠かせない。
- PhRMAは、2004年4月に設立された独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)を強く支持する。しかしながら、現状では、PMDAの設立以来、審査過程がスピードアップするどころか著しくスピードダウンしている。この現状を解決するには、PMDAと日本政府によって以下のような精力的な取り組みが不可欠と考える。
- 業界とともに包括的なパフォーマンスの測定方法を設定し、パフォーマンスの明確な基準を確立するとともに問題を特定すること
- 業界と連携して問題を明確化すること
- 適切な訓練を受けた審査官の雇用に迅速に取り組むこと
- PhRMAは、メーカー希望償還価格(MSRP)を厚生労働省が導入することを支持する。MSRPでは 企業自らが申請価格を裏付けるために提出した、医学的、経済的、その他の様々なデータに基づき、政府と企業の間での有効な協議によって革新的な医薬品の薬価が算定される。PhRMAは、バイオ製剤を含む、全ての画期的新薬に対してMSRPを適用することが効果的かつ公正であると考える。
- 日本は、革新に報いるために、現行の補正加算制度を全面的に適用しなくてはならない、とPhRMAは考える。補正加算制度は、最大150%の報酬を認めているが、補正加算の大半は10%以下となっており、既に値下げ済みの類似薬より30%以上の補正加算を受けた製品は存在しない。日本の薬価算定関係者は、マーケット志向によらないメカニズムを通じて現行製品の体系的な価格引き下げを行っている。こうしたやり方を止め、患者に対する薬剤の価値を適切に認識するよう、PhRMAは強く願っている。
- 日本は、画期的な医薬品が患者にもたらす価値とメリットを十分に勘案した薬価制度を採用すべきであるという立場を、PhRMAは堅持する。外国価格調整(FPA)は、製薬会社が日本で新薬を販売することができる最低薬価基準の保証に欠かせない、とPhRMAは考える。FPAを強化してゆくために、類似薬の2倍までという上限を撤廃し、4カ国の平均価格の100%を下限に設定することが必要である。また、この4カ国平均はグローバルにおけるそれぞれのマーケットシェアを反映させるために加重平均にすべきである。
クレンショー氏は、PhRMA会員企業から構成される在日執行委員会の委員長として、パートナーシップの精神を、関係者全員、とりわけ日本の患者との間で継続的に構築してゆくことを約束しています。
クレンショー委員長は、「日本の患者と、その医学的ニーズに応えることを中心に我々は活動している、ということを忘れることがあってはならない。PhRMAの日本における活動の優先順位を策定するにあたって、日本の患者にとって世界中で最高の医薬品を入手しやすくするためのものであるかどうかを常に自問し、その答えに応じて今後の活動を進めてゆく」、と結んでいます。
PhRMAは、米国で事業を行っている主要な研究開発志向型製薬企業と、バイオテクノロジー企業を代表する団体です。会員企業は新薬の発見・開発を通じて、患者がより長く、より健全でより活動的な暮らしを可能にしたいと願って活動しています。会員企業の新薬研究開発に対する2004年の投資額は、約388億ドルであり、会員企業は先頭に立って新しい治療法を探求しています。
PhRMAホームページ:www.phrma-jp.org

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