PhRMA加盟企業、新薬の開発を通じて感染症との闘いに積極的に取り組む
2007年11月16日
PhRMA加盟企業、新薬の開発を通じて感染症との闘いに積極的に取り組む
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、感染症に対する新薬の開発状況に関する報告を発表しました。この報告によると、米国の研究開発志向型製薬企業において、ブドウ球菌感染症の治療薬11 種およびワクチン4種を含む、感染症治療薬338 種が現在臨床試験段階もしくは米食品医薬品局(FDA)の承認待ちの段階にあります。現在の治療薬に対して耐性を持つようになったブドウ球菌株、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の蔓延に対する不安が広がる中でこの報告の伝える意味は重要です。
ビリー・トーザンPhRMA 理事長は「ブドウ球菌感染症は、我々の使命である国民の健康に対する深刻な脅威です。米国の研究開発志向型製薬企業はブドウ球菌感染症を治療し、感染自体を防ぐ新規治療薬の開発に力を注いでいます」と述べています。
感染症の撲滅は不可能だという指摘もありますが、政府と研究開発志向型製薬企業とは新たな研究開発と資源投入によって、繰り返される感染症の脅威と戦っています。これら開発中の新薬338種は、人類史上最も古く最も克服困難な感染症に力強く立ち向かうものです。
現在臨床試験段階にある新薬には、天然痘やブドウ球菌感染症などの疾病を予防するワクチン146種、肺炎や結核などの感染症を治療する抗生物質や抗細菌薬83 種、肝炎やインフルエンザなどのウイルスを治療する抗ウイルス薬75種、抗真菌薬25種が含まれています。
同報告書によると、開発中の薬剤には次のようなものがあります。
- 黄色ブドウ球菌の耐性菌を選択的に阻害するクラス初の薬剤1種。
- 自然免疫を制御する新しいクラスの薬剤であるC 型肝炎治療薬1種。
- 結核を引き起こすバクテリアのライフサイクルを止める薬剤1種。
他にも、真菌感染症、ヘルペス、インフルエンザ、マラリア、髄膜炎、肺炎、呼吸器感染症、ロタウイルス、敗血症、天然痘、尿路感染症の治療薬などがあります。
同報告書や開発中の感染症用治療薬に関するその他の情報については、米国PhRMAウェブサイト(http://www.phrma.org/files/Infectious Diseases 2007.pdf) をご覧ください。
PhRMA は、米国で事業を行っている主要な研究開発志向型製薬企業と、バイオテクノロジー企業を代表する団体です。会員企業は新薬の発見・開発を通じて、患者がより長く、より健康でより活動的に暮らせるよう、先頭に立って新しい治療法を探求しています。会員企業の新薬研究開発に対する2006年の投資額は、約430億米ドル(概算)で、製薬業界全体の投資額は過去最高の552 億米ドルに達しました。
PhRMAホームページ:www.phrma-jp.org
米国PhRMAホームページ:www.phrma.org
希望と生存の話について:www.sharingmiracles.com
生命を守る革新的な医薬品について:www.innovation.org
処方支援パートナーシップについて:www.pparx.org
輸入薬の危険性について:www.buysafedrugs.info
<参考資料>
開発中の感染症治療薬の一例*
炭疽菌 - 開発中のワクチンのうち一つは、細菌戦争目的などに使用される可能性がある感染性病原体に対して、ワクチンの有効性を強化することを目的としています。この研究により既存ワクチンの短所を克服し、接種の回数を減らし、また免疫反応を向上させることができます。これらは、伝播性の強い疾病に対抗し、生物兵器防衛に用いる上で重要です。
C型肝炎 - 米国立アレルギー感染症研究所によると、米国民の400 万人強、全世界で1 億8000 万人がC型肝炎に罹患しています。C 型肝炎は肝不全を引き起こす最大の原因であり、肝臓移植の最も多い理由となっています。米国疾病対策予防センター(CDC)は、今後20 年間でC 型肝炎による米国での死亡件数は3倍に増加してエイズによる死亡件数を上回ると予測しています。開発中のC 型肝炎治療薬の中の一つは先天性免疫を調節する新しいクラスの薬剤で、特定の免疫細胞上に存在する特定の受容体に作用すると考えられています。
マラリア - 世界保健機関(WHO)によると、全世界で毎年約2 億7500 万人がマラリアと診断され、100万人強が命を落としています。1 日あたり約3000 人がマラリアと診断されている計算です。また現状では死亡者4 人のうち3 人が子供です。開発中の新しいマラリア治療薬は、一般的なマラリア治療薬であるクロロキンに耐性を持つマラリアおよびクロロキン感受性の熱帯熱マラリア原虫によるマラリアに対する活性が確認されています。
薬剤耐性感染症 - 昨今、薬剤耐性黄色ブドウ球菌感染症の発症率が上昇しています。CDC によると、米国では毎年9 万人を超える人々が、致死性の薬剤耐性黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、別名MRSA)に罹患しています。開発中の薬剤の一つは、広域スペクトラムのセファロスポリン系抗生物質による最新のMRSA 薬で、特にペニシリン耐性菌を阻害するよう作用します。MRSA との闘いに向けて開発段階にある他の薬剤は新しいクラスの抗生物質で、臨床試験で広域スペクトラムの抗バクテリア活性のほか、従来の抗生物質に耐性のあるグラム陽性菌に対して特に有効な活性が確認されています。
結核 - 世界保健機関(WHO)によると、全世界で結核による死亡者は毎年150 万人に達し、新たな感染者は800 万人にのぼっています。開発中のある薬剤はフルオロキノロン系抗生物質に分類され、バクテリアのライフサイクルを止めるよう作用し、肺や器官に感染する特定のバクテリアを排除します。この薬剤は、結核の標準的な治療期間の短縮を図るべく研究が進められています。
* 開発中の感染症治療薬(2007 年PhRMA )より

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