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【米国発:プレスリリース】米国のバイオ医薬品企業 400近い細胞・遺伝子治療薬を開発中

【米国発:プレスリリース】米国のバイオ医薬品企業 400近い細胞・遺伝子治療薬を開発中

2020年3月18日

米国研究製薬工業協会



米国のバイオ医薬品企業
幅広い疾患を対象とした
400近い細胞・遺伝子治療薬を開発中

※当資料は、米国研究製薬工業協会米国本部が、現地時間2020年3月10日に米国本部ウェブサイト内のブログ”the Catalyst”で発表したアンドリュー・ポワレニー広報部長による投稿を日本で抄訳したものです。

2017年に米国で最初の細胞・遺伝子治療薬が承認され、遺伝子組換え技術によって病気を治療するという発想が現実のものとなり、患者さんたちはより個別化された治療を期待できるようになってきています。米国で3月10日に発表された報告によれば、現在臨床開発段階にある細胞・遺伝子治療薬の数は362で、2018年と比べて20%増加しています。

開発中の細胞・遺伝子治療薬には以下が含まれます:

  • 血液凝固第VIII因子の形成促進を目的とし、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを活用する血友病A用遺伝子治療薬。
  • 肝臓に活性化血液凝固第IX因子を供給する、AAVベクターを活用する血友病B用遺伝子治療薬。
  • 遺伝子組換えによるT細胞で構成され、B細胞成熟抗原を標的とし、T細胞を悪性骨髄腫細胞の識別と攻撃に用いることを意図する第二世代CAR-T細胞治療薬。
  • 黄色斑眼底(スターガルト病)の治療を目的とし、網膜光受容体に変異を修復したABCR遺伝子を直接送り込む遺伝子治療薬。
  • デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療を目的とし、組換えAAV9カプシドを用いて短縮バージョンのヒトジストロフィンを送り込む遺伝子治療薬。

パイプラインにある細胞・遺伝子治療薬は数百に上りますが、これら革新的治療薬のうち、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得て、現在患者さんの治療に役立てられているものはごくわずかです。がん、眼疾患、希少遺伝性疾患の分野で、細胞・遺伝子治療薬が使われている疾患は6つにとどまります。

これら細胞・遺伝子治療薬は医療に改革をもたらす存在でありながら、科学者とメーカーは技術的および流通上の障壁に阻まれ、商品化に十分な量を市場に投入できない状態にあります。この課題の将来的な解決方法について検証した『オックスフォード・エコノミクス』誌の最新調査によれば、医薬品開発におけるプロセス標準化、流通システム簡素化、効率化、競争力増強のために莫大な設備投資が必要であることが示唆されています。それでも幸いと言えることは、米国のバイオ医薬品業界が、患者さんにとって必要なこれらの課題解決のために全力で取り組んでいることです。

研究者が次世代の治療法を発見できるようにするためには、細胞・遺伝子治療への患者さんのアクセスを確保できる医療費支払い制度の確立を目的とした革新的な取り組みも同様に必要です。このためバイオ医薬品メーカーは、保険者側との協力により、革新的な契約条件の策定に取り組んでいます。具体的には、患者さんにとって有益なリアルワールドデータに基づいた結果を重視し、アウトカムを改善できるような、結果あるいは価値に基づいた契約条件、そして、支払い側のコストを制限するもしくは長期的に分散することを可能とする代替的財政制度などが考えられるでしょう。しかしながら現状は、連邦政府による時代遅れの制度と政策によって、バイオ医薬品メーカーは不安定な状態に置かれ、革新的な契約条件の確立と普及は阻害するリスクにさらされています。

開発パイプラインにある数多くの新しい細胞・遺伝子治療薬は、アメリカの研究型バイオ医薬品業界がこれまでに成し遂げてきた先進的な研究活動の賜物と言えます。この分野において更なるイノベーションを維持・促進するためには、そのための環境を醸成することが何よりも肝要です。
開発中の細胞・遺伝子治療薬について詳しくは、こちらをご覧ください。
https://phrma.org/-/media/Project/PhRMA/PhRMA-Org/PhRMA-Org/PDF/A-C/MID-cell-and-gene-therapy-2020.pdf

●米国研究製薬工業協会(PhRMA)
PhRMAは、米国で事業を行なっている主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジ―企業を代表する団体です。加盟企業は新薬の発見・開発を通じて、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、先頭に立って新しい治療法を探求しています。加盟企業の新薬研究開発に対する投資額は、2000年からの累計では9,000億ドル以上に達し、2018年単独でも推定で796億ドルになりました。

   

【本件に関するお問い合わせ】
米国研究製薬工業協会(PhRMA)広報事務局
(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)
TEL:03-3291-0118  FAX:03-3291-0223
E-mail:phrma_pr@jc-inc.co.jp