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【シンポジウム】PhRMA・国立がん研究センター「第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」を開催

【シンポジウム】PhRMA・国立がん研究センター「第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」を開催

<米国研究製薬工業協会(PhRMA) 国立がん研究センター 共催企画>
『第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム』を開催
~がん治療薬開発に必要なBio-infrastructureとは~

日時:2017年11月26日(日)13:00-18:00
会場:国立研究開発法人 国立がん研究センター 築地キャンパス 新研究棟
主催:国立研究開発法人 国立がん研究センター/同中央病院「日本医療研究開発機構 医療技術実用化総合促進事業」・ 米国研究製薬工業協会(PhRMA)
後援:厚生労働省、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)、日本製薬工業協会(JPMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)



PhRMAは国立がん研究センターとの共催により、去る 2017年11月26日、国立がん研究センター 築地キャンパス 新研究棟において、国内の産官学の若手研究者たちを対象に、「第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」と題した研究会を開催しました。

同シンポジウムは、PhRMAが2013年に発表した、基礎研究に携わる日本人の若手研究者を対象とした人材育成支援プログラム『ヤング・サイエンティスト・プログラム』の一環として実施しているものです。創薬分野における若手研究者の果たすべき役割の重要性をグローバルな視点で再認識してもらうこと、研究意欲のさらなる向上、創薬分野で世界的に活躍できる人材を育成することを目的としています。

第5回目となる今回のシンポジウムは、開催当初からの「産・官・学それぞれの視点から若手研究者にTRの重要性を伝える」という基本路線を踏襲して、国内のがん研究に関わる産官学の若手研究者たちと「イムノオンコロジー」、「クリニカルシーケンス」、「バイオバンク」、「ビッグデータ」、「稀少癌」など、ここ数年目覚ましい発展を遂げているオンコロジー分野のトランスレーショナルリサーチ(TR)についてディスカッションを行いました。

当日は国立がん研究センター 理事・研究所長 間野 博行氏の開会挨拶から始まり、第1部では国立がん研究センター中央病院 バイオバンク・トランスレーショナルリサーチ支援室長 加藤 健氏と、同病院 研究企画推進部 部長/JCOG 運営事務局長 中村 健一氏がモデレーターとなり、米国および日本の産・官・学それぞれの研究者による講演を行いました。

初めに米国のNIH(国立衛生研究所)の研究機関である National Center for Advancing Translational Siences(NCATS)のPetra Kaufmann 氏のビデオによる「Advancing Rare Diseases Research Through Smarter Science」と題した講演を行いました。続いて、日本医療研究開発機構(AMED) 臨床研究・治験基盤事業部長 創薬戦略部長 河野 典厚氏は、「日本における創薬支援(産学官連携に関するAMEDの取り組みを中心に)」と題し行政の立場から医薬品開発をめぐる環境の変化やAMED による産学連携支援・人材育成事例を紹介しました。アカデミアからは、国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科 米盛 勧氏が「がん領域の臨床開発の取り組み~臨床開発に関わる研究者の視点から~」と題し、自身の経験を踏まえたキャリアトラックの構築や希少がんの研究開発・ゲノム医療を産学共同で推進している“マスターキープロジェクト”を紹介しました。また産業界からはファイザー株式会社 クリニカルリサーチ統 括部 オンコロジー領域部長 廣橋 朋子氏が、「企業と日本のアカデミアが TR で協業するために必要なBio-infrastructureとマインド」と題し、腫瘍免疫療法の開発において製薬企業が目指しているものや、アカデミア主導TR試験の役割とそのユニーク性、製薬企業として共同研究者の先生方へ期待することなどについて紹介しました。

第2部のパネルディスカッションでは、米盛氏と廣橋氏がモデレーターを務め、第1部の講師である河野氏に加えて、第一三共株式会社 オンコロジー統括部 バイオマーカー推進部 グローバルヘッド 村上 雅人氏、国立がん研究センター 研究所 臨床ゲノム解析部門長/先端医療開発センター ゲノムTR分野 ユニット長 市川 仁氏がパネリストとして登壇し、「Bio-infrastructure を支えるための人材育成をどのように行うか?」 をテーマにそれぞれの視点からディスカッションを行いました。

ワークショップでは、参加者が4つのグループに分かれて「“基礎研究”と“臨床応用”を繋げるために・・・若手研究者からの提言」をテーマに、産・官・学の様々なバックグラウンドを持ったメンバーが、それぞれの立場からの問題や今後の改善策について話し合いました。

第3部の総括では加藤氏がモデレーターとなり、ワークショップの各グループの代表者がそれぞれの討議内容を発表しました。発表では、何のための研究か出口戦略の明確化や産官学の人材交流・人材流動の必要性、論文至上主義になりがちなアカデミアの評価基準の問題点などについて意見が出ました。

5時間に及んだシンポジウムは、PhRMA在日執行委員会委員長パトリック・ジョンソンによる閉会挨拶とともに幕を閉じました。

本シンポジウムの参加者からは「ワークショップは、産官学の異なる立場のメンバーが交流を持つことができる非常に稀な機会で有意義だった。」「各立場での重要点が述べられ、普段知りえない内容を勉強できた。」「現状の課題が明確になり、為になった。まさに、TR研究はこれからであると感じた。」などのコメントが寄せられました。



【シンポジウムの模様】

■第1部講演■



<間野 博行 氏>


<加藤 健 氏と中村 健一 氏>


<Petra Kaufmann 氏のビデオ講演>


<河野 典厚 氏>


<米盛 勧 氏>


<廣橋 朋子 氏>



■第2部パネルディスカッション■

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■第2部ワークショップ■

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■第3部総括■

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<パトリック・ジョンソン>

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<全体の風景>