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【シンポジウム】日本医師会とともに”日米における災害時/緊急時の医療体制の在り方”をテーマに共催シンポジウムを開催

【シンポジウム】日本医師会とともに”日米における災害時/緊急時の医療体制の在り方”をテーマに共催シンポジウムを開催

日時:2015年11月18日(水)午後2:00~4:30
場所:ヒルトン東京 大和の間

PhRMAは日本医師会とともに、去る2015年11月18日に"日米における災害時/緊急時の医療体制の在り方を考える"をテーマに、3回目となる共催シンポジウムを開催しました。

同シンポジウムは、日本各地で起こり得る大規模な自然災害や、2020年東京オリンピックをはじめ世界的なイベントでの事故など、想定される「緊急時」における国家レベルでの医療体制、関係機関の連携のあり方について、米国での事例を紐解きながら、日米双方の知見や取り組み、課題を共有し、今後の施策を探ることを目的に企画したものです。

シンポジウムは横倉 義武 日本医師会会長の「本シンポジウムが、医療を超えた幅広い見地から我が国の災害対策にとって、非常に有意義なものとなることを期待している。」という開会のメッセージで始まりました。

第一部の基調講演では、日米双方の災害医療における取り組みについて、それぞれの講師にご紹介いただきました。

最初に、日本側を代表して、内閣府 緒方俊則大臣官房審議官(防災担当)より、「我が国における災害対応」をテーマに、災害発生時の政府の対応や連携体制等についてご発表いただきました。

続いて、緒方審議官のご講演を受けた指定発言として、厚生労働省医政局地域医療計画課 伯野春彦 救急・周産期医療等対策室長より、同省における災害時の医療提供についてご説明いただきました。

次に、石井 正三 日本医師会常任理事からは、「日本医師会から見た災害対策と実践」と題し、日本医師会災害医療チーム『JMAT』が東日本大震災時にどのように機能したか、また、そこから見えた課題は何か、そしてその課題がその後の災害時にどのように活かされたかなど具体的な事例とともにお話いただきました。さらに、このご講演の中で「今後日本でも取り入れていきたい」と触れられたインシデントコマンドシステム(緊急時総合調整システム)について、日本におけるガイドブック作成に携わった日医総研客員研究員の永田高志先生より、指定発言をいただきました。

続く米国側の取り組みでは、まずはじめに、FEMA(米国連邦緊急事態管理庁) 元・最高執行責任者のケン・バーリス氏より、「米国における医療現場の災害準備のアプローチ」をテーマにご講演いただき、効果的な災害医療システムの基礎は、官/民/非営利組織間のパートナーシップにあるということ、そしてこのパートナーシップには、国レベルでの充分な財政支援と、地域における個人レベルでの実施が必要不可欠であり、米国では、このような形態のパートナーシップをより円滑に運用するために緊急指令システムを採用していること、また実際に何かが起こる前に、自分なりの成功イメージをハッキリと描くことが重要であるといったことなどをご紹介いただきました。

もう一つの米国の事例として、Healthcare Ready(旧Rx Response)プログラミング・ディレクターの二コレット・A・ルーサント博士より、Healthcare Readyの取り組みについてご講演いただきました。アメリカでは医療機関の9割以上が民間であることから、災害時の医療対策においては、官と民の連携が必須であり、Healthcare Readyはそのために活動をしていることが説明され、その連携がなぜ必要なのか、そして、平時からどのように、あらゆる機関・部門と良好な関係を構築・維持しているのかなどが、具体的な米国内外での活動実績とともに紹介されました。

第2部のパネルディスカッションでは石井 正三 日本医師会常任理事と小野 一郎PhRMA(日本)副代表が座長を務め、パネリストには、基調講演を行って頂きましたケン・バーリス氏、ニコレット・A・ルーサント博士、また、指定発言を行って頂きました厚生労働省医政局伯野春彦 救急・周産期医療等対策室長、さらに、内閣府の荻澤滋 政策統括官(防災担当)付参事官(災害緊急事態対処担当)が登壇し、日本の災害時の医療提供について、今後さらに充実させていくためには、どのようにしていけば良いかなど、アメリカの事例や経験も含めながら、それぞれのお立場からご発言いただきました。

フロアからも、災害発生時の外国人へのコミュニケーション対応や既に持病を持っておられる方々への対応、またパンデミックや感染病などが発生した場合について、どのように対策をしていけばよいかといった具体的な質問も挙がり、活発な議論が交わされました。

本シンポジウムには、各医師会の救急災害医療や国際保健の担当役員、被災者健康支援連絡協議会の代表等を中心に、医療行政に関わる国会議員、関連官公庁職員、主要マスメディア、医薬品関係者など140名を超える聴衆が参加しました。

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