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【トランスレーショナルリサーチ・コロキアム】第9回目実施レポート

【トランスレーショナルリサーチ・コロキアム】第9回目実施レポート

【第9回トランスレーショナルリサーチ・コロキアム】
「アルツハイマー病の超早期診断と介入治療戦略-3」

日時:2020年10月17日(オンライン会議)


PhRMAは去る2020年10月17日、トランスレーショナルリサーチ・コロキアム「アルツハイマー病の超早期診断と介入治療戦略-3」をオンライン会議形式で開催しました。

アルツハイマー型認知症(AD)の治療薬開発は、PhRMA加盟企業を含め多くの国内外の製薬会社が長年集中して取り組んでいるにも関わらず、そのほとんどがフェーズ3(第III相臨床試験)の高い壁を超えることができていない、極めて成功確率が低い疾患です。
これまでの多くの失敗から、ある程度認知機能低下が進行した状態では治療効果を示すのが現実的に困難であるため、治療の対象はより早期の患者さんへとシフトしています。
近年ではようやく、疾患の進行を抑制する疾患修飾薬(Disease-modifying drug)が次世代のAD治療薬として注目されていますが、製薬企業・アカデミア・公的研究機関等において単独では克服困難な疾患特有の“壁”を乗り越えるために産官学の連携(Public–Private Partnership: PPP)を築く必要性が高まっています。

本コロキアムでは、2017年、2018年の2回に渡って「アルツハイマー病の超早期診断と介入治療戦略」をテーマに議論していましたが、その集大成として過去2回で課題として残された点について、最新の事例等を踏まえて深く議論しました。

ディスカッションポイント

  1. 簡便で安価な診断法を確立する(画像診断、バイオマーカー、血液検査、認知機能テスト.)
  2. 疾患の状態をバイオマーカーによって把握・追跡し、患者個々に適切な治療法を確立する
  3. 疾患修飾薬(Disease modifying drugs)の開発
  4. 生活習慣の改善等、総合的な社会的取り組みの必要性

今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、各参加者がリモートで参加するオンライン会議形式での実施となりましたが、合計30名(オブザーバーを含む)もの有識者にご参加いただきました。
当日は2部構成とし、第1部ではアカデミアから3名、第2部では製薬企業から2名の先生方に最新の研究や試験等の取り組みについてご紹介いただいた後に、それぞれのテーマに合わせてフリーディスカッションを実施しました。AD治療薬開発において解決すべき課題は多く残されていますが、最新の取り組みや課題について情報交換や意見交換をすることによって、各分野において進むべき方向性を垣間見ることができ、産官学連携(Public–Private Partnership: PPP)の重要性を再確認する機会となりました。

トランスレーショナル・リサーチコロキアム
トランスレーショナルリサーチ・コロキアムはアカデミア、規制当局、製薬企業などで研究開発に携わっている研究者の方、テーマに携わる様々な方にご参加頂き、異なる立場からの議論をもとに、直面する課題に対するソリューションを探る機会を設けるもので、2015年より継続して開催しています。
また、PhRMAは2013年より産官学の連携で国内アカデミア創薬を促進・サポートする活動として、「ヤング・サイエンティスト・シンポジウム」の開催や、国内の若手研究者を米国に短期間派遣し、米国における保健医療政策、医薬品研究、規制慣行、トランスレーショナルリサーチの最新情報を学ぶ「マンスフィールド-PhRMA 研究者プログラム」の実施など、トランスレーショナルリサーチの活性化、啓蒙を命題とした活動を行っており、本コロキアムもその一環として開催しています。

参加者一覧

議長
小野 賢二郎 昭和大学 医学部内科学講座 脳神経内科学部門 主任教授
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 
中村 龍太 新薬審査第二部 部長
高徳 敬之 新薬審査第二部
日本医療研究開発機構(AMED)
鹿川 哲史 疾患基礎研究事業部 疾患基礎研究課 調査役
アカデミア
岩坪 威 東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野 教授
富田 泰輔 東京大学大学院 薬学系研究科 機能病態学教室 教授
新美 芳樹 東京大学医学部附属病院 早期・探索開発推進室 特任講師
徳田 隆彦 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
脳機能イメージング研究部 医長
樋口 真人 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
脳機能イメージング研究部 部長
佐原 成彦 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
脳機能イメージング研究部 チームリーダー
建部 陽嗣 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
脳機能イメージング研究  脳疾患トランスレーショナル研究グループ
岩田 淳 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 脳神経内科
池内 健 新潟大学脳研究所 附属生命科学リソース研究センター
バイオリソース研究部門 遺伝子機能解析学分野・生命情報工学分野 教授
稗田 宗太郎 昭和大学医学部 内科学講座 脳神経内科学部門 准教授
杉本 あずさ 昭和大学医学部 内科学講座 脳神経内科学部門 講師
製薬企業
畠山 直久 日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部
バイオ医薬品領域本部&臨床薬理メディカル クリニカルリサーチサイエンティスト 
小川 智雄 エーザイ株式会社 ニューロロジービジネスグループ 日本・アジア臨床開発部
吉池 裕二 エーザイ株式会社 D-TIE事業部
オブザーバー
中村 智実 日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部
渡辺 小百合 ヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 クリニカルサイエンス統括部
中枢疾患臨床開発部
高橋 昌義 ヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 クリニカルサイエンス統括部
中枢疾患臨床開発部
松田 尚人 バイオジェン・ジャパン株式会社 臨床開発部長
星子 麻記 バイオジェン・ジャパン株式会社 External Innovation Lead
大脇 健二 PhRMA Translational Research Subcommittee 代表/日本イーライリリー株式会社
上杉 幸嗣 PhRMA Translational Research Subcommittee 副代表/ファイザーR&D合同会社
近藤 修二 PhRMA Translational Research Subcommittee/バイオジェン・ジャパン株式会社
杉田 真 PhRMA Translational Research Subcommittee/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
寺尾 寧子 PhRMA Translational Research Subcommittee/ヤンセンファーマ株式会社
中 忠篤 PhRMA Translational Research Subcommittee/アッヴィ合同会社
貝原 徳紀 PhRMA S&R Committee/日本イーライリリー株式会社