PhRMAオンラインプレスセミナー「コロナ禍で見えてきた日本におけるリアルワールドデータとリアルワールドエビデンスの現状と課題 ~デジタル化の推進で日本の医療はどう変われるか~」
日時:2021年12月1日(水)
PhRMAはリアルワールドデータ(RWD)とリアルワールドエビデンス(RWE)について理解を深めていただき、日本における現状や課題、そして将来の展望についてPhRMAの見解をお伝えすること目的としたオンラインプレスセミナーを開催しました。
新型コロナウイルス感染症による公衆衛生上の危機を通じて、治療や臨床においてRWD/RWEが迅速に活用されることの重要性や意義が世界的に再認識されました。一方で、今後日本でさらにRWD/RWEを十分に活用していくためには、いまだに多くの課題が残されています。
本セミナーでは、冒頭にPhRMA メディカルアフェアーズ委員会 委員長の片山 泰之より、RWD/RWEへのPHRMAの取り組みと本日のセミナーの概要をご説明し、同委員会の平松 且稔より、PhRMA メディカルアフェアーズ委員会が学術雑誌「Drugs – Real World Outcome」に投稿し、2021年6月にオンラインに掲載された総説「Current Status, Challenges, and Future Perspectives of Real-World Data and Real-World Evidence in Japan (日本におけるリアルワールドデータとリアルワールドエビデンスの現状と課題、そして今後の展望)」をもとに、RWD/RWEの重要性と、今後の利活用を促進する上での課題と解決に向けたPhRMAからの提案を説明しました。
■RWD/RWEの課題
- 患者さんの同意がない、データ連結に必要な情報の入力がない等で、RWDへのアクセスや連結をすることに重大な課題が残っており、RWD/RWEを最大限に活用できていない。
- コロナ禍で、日本をRWD/RWEを十分活用し、その恩恵を受けられる国へ変換が急務であることが明らかになった。
■PhRMAの提案
「RWDへのアクセス」
- 日本政府が主体となって、国民へ個人情報の取り扱い、研究倫理に関する十分な知識の提供、個人データ提供の意義、RWDを利用した研究の利益等についての積極的な啓発活動や教育を実施する。
- 全国民が、個人の医療データをRWDの研究や医療に利用することに同意することによって、RWDへのアクセス改善および利活用促進を図ることを可能とし、その結果、国民がその恩恵を感じる社会を実現する。
「データベースの連結」
- 日本が世界最先端のデジタル国家となり、RWDをデジタル化し、マイナンバーとリンク保存する。
- データセキュリティを確保した上で巨大かつ質の高い、生涯にわたる医療記録データを作成する。
- 全医療機関が上記のデータにアクセスできる仕組みを構築することによって、患者さんがより適切な治療を受けることができ、結果として国民の生活の質の向上が実現する。

【当日配布資料】
「Current Status, Challenges, and Future Perspectives of Real-World Data and Real-World Evidence in Japan (日本におけるリアルワールドデータとリアルワールドエビデンスの現状と課題、そして今後の展望)」の原文は下記のリンクよりご覧ください(英語のみ)
https://link.springer.com/article/10.1007/s40801-021-00266-3
日本語(翻訳版)※2022年2月16日更新
https://www.phrma-jp.org/library/video/library202202/