プレスリリース
2022.03.07
「COVID-19ワクチンへのアクセスを早急に増やすための3つの優先事項」共同声明を発表
2022年3月7日
米国研究製薬工業協会
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、各国の製薬団体により策定された「COVID-19ワクチンへのアクセスを早急に増やすための3つの優先事項」に関する声明を発表しました。
※当資料は、本共同声明の原文(英文:Three priorities to urgently increase access to COVID-19 vaccines)を日本で抄訳したものです。 [翻訳作成:日本製薬工業協会(JPMA)]

「COVID-19ワクチンへのアクセスを早急に増やすための3つの優先事項」
研究開発型製薬企業は、安全で効果的なCOVID-19ワクチンや治療薬を開発・製造するための世界的な取り組みの最前線にいます。これまでに、120億回分以上のワクチンが製造され、世界の人口の60%以上が少なくとも1回の接種1を受けていますが、パンデミック対策として、できるだけ多くの人がワクチンを接種することは、依然として重要です。また、最近のオミクロン株をはじめとする新しい変異株に直面しても、現行のワクチンは感染を継続して防ぎ、入院や死亡に対して大きな効果があることを示しています。さらに、COVID-19に感染した人やそのリスクがある人に対しては、いくつかの承認された治療薬がCOVID-19対策の重要かつ不可欠な要素となっています。
しかしながら、目覚ましい進展が見られた一方で、COVID-19ワクチンは、世界中の優先すべきすべての人々には平等に行き渡っていないのが現状です。2021年5月、研究開発型製薬企業は、ワクチンの不公平に取り組むために、政府、国際機関、非政府組織との協働を継続することを公約2しました。過去6カ月間に、COVID-19ワクチンの国内供給が多い政府は、低・中所得国への分配を増やしており、ワクチンメーカーは、大陸にまたがる自主的ライセンスの供与や技術移転などにより、生産力をさらに強化し続けています。2022年1月末までに、COVAX(世界保健機関(WHO)が主導し、新型コロナウイルスワクチンを共同購入し、途上国などに分配する国際的な枠組み)は、最初の10億回分のワクチンを提供3しました。さらに30億回分以上のワクチンが、低・中所得国に提供されようとしています。取り組みが進み、低・中所得国に相当数のワクチンが提供され続けることを期待しています。
私たちの総力を挙げた努力が実を結びつつありますが、ワクチンの公平性を向上させるためには、製薬企業、政府、国際機関、その他の非政府組織は、各国が国家的なワクチン接種に向けて動き出した際は、それらの国々を支援し、効率的な流通と接種を妨げる障害を取り除くことによって、最も必要としている人々にワクチンが届くよう、これまで以上に取り組まなければなりません。
この取り組みを支援するために、研究開発型製薬企業は、以下の3つの包括的な優先事項と支援活動について、すべての関連するステークホルダーとの協働を継続します。
COVID-19ワクチン接種を展開する国の準備態勢の支援を強化する
- 特に、低・中所得国において、COVID-19ワクチンの需要予測、分配と寄付の調整、流通、および接種を改善するため、政府、およびCOVAXやAfrican VaccineAcquisition Trust(AVAT)などの確立された調達機関と協働する。
- 各国がCOVAXからの配布や寄付をより明確に把握できるよう、COVAXや他の関連組織との連携や情報交換を継続する。
- 新しいCOVID-19ワクチンや新たな製造施設の迅速な承認を可能にするために、規制システムの合理化と適切な柔軟性を支援するタイムリーな情報を提供する。
- 特に、誤った情報に対処すること、ワクチンの有効性と安全性に関するデータをタイムリーに提供すること、適切な無過失補償プログラム(予防接種健康被害救済制度等)を導入することにより、ワクチンとワクチン接種プログラムに対する信頼性を高めることを継続する。
- 迅速なワクチン接種のため、ワクチン接種の打ち手の人数を増やすように各国政府を促すことを継続する。
COVID-19ワクチンの公平な分配に貢献する
- COVAXまたはAVATなどの確立された効率的な枠組みを通じて、責任あるタイムリーな方法で、低・中所得国へのワクチン分配が改善されるよう、COVID-19ワクチンを多く供給している政府との協働を継続する。
- COVAXまたはAVATなどの確立された効率的な枠組みを通じて、提供先が決まっていないCOVID-19ワクチンが、低・中所得国の優先すべき人々に早急に利用されるよう、あらゆる努力を払う。
- ワクチンの無駄な廃棄を防ぐため、現在行われているワクチンの安定性に関する研究に沿って、COVID-19ワクチン自体の有効期間や、製造バッチレベルでの有効期間の延長が認められるように、関連当局と協働する。
- COVID-19ワクチンの製造、流通、接種に必要な品物、原材料、サービス、人員の国境を越えた供給と自由な流れを支援するために、依然として残っている貿易および規制上の障壁の撤廃を促す。
- ワクチン接種率向上のため、サプライチェーンや物流のボトルネックに対処する取り組みを支援する。
イノベーションの推進を継続する
- 懸念されている変異株に対して長期的かつ高い予防効果を有する次世代のCOVID-19ワクチンを開発するための研究への優先的な取り組み、および保管、配送、接種における物流上の懸念への対処を継続する。
- 見込みのある新しいワクチンや治療薬の迅速な開発を支援するために、COVID-19変異株の病原体(サンプルと配列情報)への自由なアクセスを保証するよう、各国政府に要請する。
- 大量生産が可能なパートナーとの既存、および新規の自主的な協力などを通じ、安全性と品質を損なうことなく、ワクチン生産の最適化を継続する。
原文はこちらからご覧ください。
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